禁煙外来

禁煙外来

ごあいさつ

タバコをやめられないのは、あなたの意志の弱さではなく、ニコチンのもつ強い依存性が原因です。「喫煙は個人の嗜好ではなくニコチン依存症という病気である」との認識から、2006年より禁煙治療に保険が適用されるようになりました。喫煙は趣味・嗜好ではなく、やめようとしてもやめられない「強い依存症」です。依存症から抜け出すためには、喫煙を病気として捉えて、科学的に実績のある禁煙治療薬を使いながら禁煙プログラムを実践することが最も確実です。

日本禁煙学会 禁煙認定指導医循環器内科 羽田 朋人

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診療科の特徴

・当院の禁煙外来は禁煙補助薬「チャンピックス」を用いて禁煙のサポートを行う外来です。

通院期間は3ヶ月間で、費用は3割負担で約15000です(保険診療の場合)。

3ヶ月通院できた人の禁煙成功率は約80です。

・当院では金曜日午後に禁煙外来を開設し予約制で診療しています。

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タバコの健康被害

20歳以下で喫煙を始めると、男性は8年、女性は10年も短命になることが分かっています。

35~40歳で禁煙すれば喫煙前の余命を取り戻すことができます。また、50歳で禁煙すると6年、60歳なら3年寿命を延ばすことができると言われています。いくつになっても、禁煙が遅すぎることはありません。先送りせず、禁煙する気になった時がやめ時です。

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加熱式タバコについて

近年、加熱式タバコが普及しており、「従来の燃焼式タバコと比べて健康被害が少なく済む」という認識が一般の方の間で広がっていますが、実際はどうなのでしょうか?

 

加熱式タバコとは、タバコ葉を燃焼するのではなく、加熱することでニコチンを含むエアロゾルを発生させるタバコのことです。日本では、IQOS(アイコス)、glo(グロー)、Ploom TECH(プルームテック)が市販されています。

いずれの加熱式タバコにも、従来の燃焼式タバコと同様に依存性薬物であるニコチンが含まれています。これらの新型タバコは、「煙が出ない、あるいは煙が見えにくいので禁煙のエリアでも吸える」、「受動喫煙の危険がない」、「従来の燃焼式タバコより健康リスクが少ない」と誤認され、急速な広がりをみせています。また、加熱式タバコが健康被害の低減につながるとして、従来の燃焼式タバコの代替品として加熱式タバコを推奨する考え方があります。しかし、現時点で、これらの新型タバコにより、病気や死亡リスクが低減するという科学的実績は明らかでなく推測にすぎません。加熱式タバコの主流煙中に燃焼式タバコとほぼ同レベルのニコチンや揮発性化合物(アクロレイン、ホルムアルデヒド)、約3倍のアセナフテンという有害物質が含まれていることが報告されています。

また、「加熱式タバコは煙がでないので受動喫煙(周囲の人への健康被害)も少ない」と思われがちですが、実際には大量のエアロゾルを呼出していることが分かっており、従来の燃焼式タバコの見える煙と同様に、大量の見えにくいエアロゾルを呼出しています。煙が出ないから有害物質が出ていない、という訳ではありません。

 

以上より、「煙が出ない」「ニコチンが少ない」というイメージに反して、加熱式タバコは従来のタバコと同様、あるいは異なるメカニズムで体へ悪影響を及ぼします。健康のためには、加熱式タバコへの切り替えではなく、完全な禁煙を目指すことが最も重要です。

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禁煙治療の保険適応

保険適応で禁煙治療を行うためには、以下の条件を全て満たしている必要があります。


① ただちに禁煙を考えている

② スクリーニングテスト(TDS)で5点以上

③ 35歳以上ではブリンクマン指数が200以上(35歳未満は喫煙年数・本数を問いません)

④ 禁煙治療を受けることを文書により同意している


なお、上記を満たしていない方でも保険適応外で(自費診療で)対応することも可能です。

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禁煙成功率:他の方法との比較

・チャンピックスを用いて禁煙を試みた結果、65.4%の喫煙者が禁煙治療に成功しました。
・12週間の禁煙治療を5回すべて受けた人では、約80%が4週間以上の禁煙に成功しました。
・他の方法(ニコチンパッチやニコチンガム)と比較するとチャンピックスを使用した方が禁煙成功率は有意に高くなります。
そのため当院ではチャンピックスを用いた禁煙治療をご提案しています。


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禁煙治療のスケジュール:12週、計5回の受診




禁煙外来初日 禁煙治療の条件確認、問診、禁煙指導、呼気CO濃度測定、禁煙治療への同意・禁煙宣言、処方
2回目〜4回目 禁煙指導、呼気CO濃度測定、処方
5回目(最終回) 禁煙指導、呼気CO濃度測定

通院期間は3ヶ月(12週)です。初回診療で問診、採血、喫煙状況の確認、保険適応かどうかの確認を行い、条件を満たせば禁煙宣言書に署名して頂き禁煙治療を開始します。合計5回の診療で通院は終了となります。

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費用

12週の禁煙治療で、3割負担で約15,000です(諸条件により変動があります)。

 



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チャンピックスの特徴

・チャンピックスは新しい作用機序に基づく、日本で初めてのニコチンを含まない経口禁煙補助薬です。
・タバコで満足感が得られる理由は、タバコに含まれるニコチンが脳の神経細胞にあるニコチン受容体に結合し、神経細胞の端末よりドパミンが放出され、満足感などの快感が生じます。

・チャンピックスは以下の2つの作用により禁煙補助効果を発揮します。
① チャンピックスは、ニコチン受容体に結合してニコチンの作用で放出されるよりも少量のドパミンを放出させ、禁煙に伴う離脱症状やタバコに対する切望感を軽減します(作動薬としての作用)。
② また、チャンピックスはニコチンが受容体に結合するのを阻害し、喫煙により得られる満足感を抑制します(拮抗薬としての作用)。これによりタバコを吸ってもおいしいと感じなくなります。

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禁煙成功のための5つのポイント

① 全て捨てる

まずは自宅や職場などにあるライターや残りのタバコ、吸入デバイスなどを全て捨てましょう。「もったいない」と思ってはいけません。タバコを買わなくなればすぐに取り返せるほどの金額です。

② タバコを吸うときのルーティンを把握して、行動様式を変える

飲酒時、起床後、寝る前、コーヒーを飲む時、食後などルーティン化しているタイミングがあると思います。まずそのルーティンを撤廃しましょう。灰皿を下げてもらう、喫茶店を変える、今までの喫煙のタイミングに何か代わりとなるような行動習慣を作ったりしてみましょう。

③ 禁煙成功の仲間をつくる

皆さまも「タバコミュニティ」があるのではないでしょうか? まずタバコミュニティから卒業することが大事です。しかし誘われるとなかなか言い出せず、ましてや先輩や上司に誘われた日には逃げられない可能性もあります。そのため、タバコミュニティから一緒に離脱してくれる仲間をつくりましょう。

④ ご家族やお子様、友人に報告する

周囲に宣言することで成功率が高まります。褒められることもあれば、コンビニのレジでタバコを眺めているだけで注意してくれることもあるでしょう。周囲に優しく監視してもらうことはとても有効です。

⑤ 効果を実感し続ける

禁煙を続けることで以下の様な効果があります。自分で気づく変化もありますし、見えない変化もあります。禁煙による成果を認識することが禁煙継続のポイントです。


禁煙してから 効果
20分後 血圧や脈拍が正常に近づく。
24時間後 心臓発作のリスクが少なくなる。
48時間後 嗅覚や味覚が改善してくる。胃の働きが正常化する。
3日~7日後 体内のニコチンがなくなる。
2~3週間後 睡眠障害が改善してくる。
1~9ヶ月後 咳や痰が改善してくる。気道感染が起きづらくなる。
1年後 肺機能の改善がみられる(軽度~中等症の場合)
2年後 心筋梗塞のリスクが35%減少する。
5年後 脳卒中リスクが非喫煙者と同等になる。
10年後 肺がんによる死亡リスクが半減する。
15年後 心筋梗塞のリスクが非喫煙者と同等になる。

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Q&A

Q1:禁煙治療の途中で喫煙してしまいました。どうしたらいいですか?

A1:治療中に再喫煙したからといって禁煙をあきらめることなく、禁煙治療を継続して構いません。チャンピックスを継続しながら再び禁煙を試みてください。禁煙治療中に一時的に再喫煙しても、最終的に持続禁煙を達成したケースは多数あります。チャンピックスは喫煙により得られる満足感を抑制する作用を持つため、再喫煙した際に「タバコがおいしい」と感じることは次第に少なくなり、禁煙しやすくなります。

 

Q2:禁煙できそうなので、12週の治療期間の途中で服薬や通院を中止してもいいですか?

A2:チャンピックスの投与期間は12週間です。長期的な禁煙効果を高めるためには、12週間の服用を完了することが重要です。禁煙外来に長く通うことができた人ほど長期的な禁煙率が高まることが示されています。禁煙できたからといって治療期間の途中で通院をやめてしまうと、その後再喫煙してしまう可能性が高くなります。

 

Q3:チャンピックスにニコチンが含まれていない点は安心できるのですが、神経細胞より少量のドパミンが放出されるとのことで、依存症とかは起きませんか?

A3:依存症の報告はなく、その心配はないと考えられます。ご安心ください。

 

Q4:チャンピックスの副作用にはどのようなものがありますか?

A4:最も多くみられる副作用は吐き気です。約12割の方に認められますが、程度は軽く、吐き気止めを使いながら経過をみていただくと、次第に慣れてくることがほとんどです。

 

Q5:以前に禁煙外来を受診したのですが、途中で挫折、失敗してしまいました。今度はチャンピックスで禁煙治療を再開できますか?

A5:原則1年間、健康保険を使用して禁煙外来を受診することはできません。ただし、前回の禁煙外来初診日より1年以上経過していれば保険での禁煙治療が可能です。

 

Q6:一度禁煙には成功したのですが、途中でまた吸い出してしまいました。チャンピックスによる禁煙外来を受診することは可能ですか?

A6:上記のQ5.と同様で、前回の禁煙外来初診日より1年以上経過していれば受診可能です。

 

Q7:初めの1週目はタバコを吸ってもかまわないということですが、どのような意味があるのでしょうか?

A7:チャンピックスには脳の神経細胞にあるニコチン受容体に結合することで、タバコを吸った際にタバコに含まれるニコチンが受容体に結合するのを妨げる作用があります。普段はタバコを吸うことで神経細胞からドパミンが放出され、これが依存症(満足感と切望感)に繋がるのですが、まず1週目はタバコを吸っても「おいしくない」ということを脳に感じさせる期間と考えてください。これにより、2週目からスムーズに禁煙に移行することが可能となります。

もちろん、1週目からすぐに禁煙されてもなんら問題はありません。

 

Q8:ニコチンパッチとチャンピックスではどちらのほうが禁煙の成功率は高いのでしょうか?

A8:直接の比較試験では、チャンピックスを使用した方が禁煙成功率は13%ほど高いと報告されています。当院ではチャンピックスを用いた禁煙治療を提案しています。

 

Q9:禁煙外来全12週のコースは終了し、禁煙にも成功したのですが、チャンピックスなしではどうも不安です。継続は可能でしょうか?

A9:保険診療としてチャンピックスを処方することはできませんが、自由診療(自費負担)でなら継続可能です。 1日の薬価は、11mg2回の服用で273円、0.5mg2回の服用では155円です。

 

Q10:妊娠していますがチャンピックスは使用することができますか?

A10:添付文書には「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与すること」と示されていて、妊娠中の服薬の安全性が明確な薬剤ではありません。原則的には当院では妊娠中の女性への禁煙補助薬の投与は行いません。

 

Q11:加熱式タバコでも(健康)保険診療の対象になりますか?

A11:はい、加熱式タバコも紙タバコと同様の基準を満たせば、保険診療の対象として治療ができます。吸っている加熱式タバコ(アイコス、グロー、プルームテック)の種類によらず、保険診療の対象として治療ができます。

 

Q12:オンライン診療で禁煙外来を受診することはできますか?

A12:いいえ。当院ではオンライン診療での禁煙外来は行っておりません。

 

 

ご不明な点については、お気軽にお尋ねください。

2025年12月10日 Ver.2
内科・循環器内科 羽田朋人

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患者さんのご紹介について

ご紹介の際は禁煙外来又は各曜日の担当医宛でご紹介ください。
また、緊急の場合や、早急に入院が必要の場合は、救急外来まで直接ご連絡いただければ、すぐに対応いたします。

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