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私は長年(41年間)勤めた虎の門病院を2018年3月末で定年退職し、この度、森山理事長の御尽力で、ここ森山脳神経センター病院および森山記念病院に新たに間脳下垂体センターを設立いたしました。このセンターは長年東京女子医大で下垂体の研究と臨床に携わって来られた内分泌センターの先生達から構成されています。
このセンターでは、長年私が心血を注いできた下垂体疾患(下垂体腫瘍や頭蓋咽頭腫など)の外科治療(過去4500例の執刀数)を中心に、患者さんを多角的に診察し、最善の治療を目指しています。またこの疾患の診断治療に欠かせない眼科や耳鼻科のご協力もいただき、充実した診療が可能となっています。手術は4Kの内視鏡を駆使した内視鏡下の経鼻手術を中心に行い、術中は安全性の高い手術となるよう全例で術後に視機能や眼球運動などに障害が生じないよう専属の検査技師が術中モニターを監視しています。また術後は内分泌センターでホルモンの検査とその評価を行い、必要に応じて適切なホルモン補充療法や、術後の補助療法(放射線、薬物療法)を行なっています。
遠方からの患者さんにも可能なかぎり利便性を考えた治療(前日初診入院、居住地区の医師との連携など)を心がけておりますので安心してご相談ください。
山田 正三
脳神経外科の中で主に下垂体腫瘍及びその周辺に発生する腫瘍に対し、外科的治療を行っています。この領域の疾患は内分泌学的な診断、治療技術が必要とされこの分野の特殊性と専門性の高さが指摘されてきました。
当科は内分泌内科とチームを組んでこれらの疾患に対し、治療前、手術及び術後の管理に関しそれぞれの個人に最適の治療を複合的に行っています。
当科ではこれらの疾患に対し原則内視鏡下経鼻的手術を行っています。但し腫瘍は時に大きく浸潤性の場合があります。我々はどの様な大きさあるいは浸潤性の腫瘍に対しても外科治療が行えるよう通常の経鼻手術のみならず拡大経鼻手術や同時経鼻手術と開頭術をそれぞれの腫瘍の状況に応じて施行しています。また、最も予後に関係する両側の海綿静脈洞浸潤腫瘍に対しても術中モニタリングを使用し安全を担保したうえで積極的な切除を行っています。
当科では他院で手術や薬物療法、放射線療法が施行されたにも関わらず腫瘍のコントロールが不良な難治例に対しても積極的に最適の治療を行っています。年間の手術症例中10%程度はこのような難治例の再手術の症例です。
下垂体及びその近傍疾患には複合的な治療が必要となりますが、当科では内分泌内科とチームを組んで治療を行っていますがその他専門の病理医師及び放射線治療が必要となった場合には日本赤十字社のサイバーナイフセンターと協力し適切な放射線治療(サイバーナイフ)を行っています。また、術前詳細な眼科的精査が重要となりますが、この点も当院の眼科と密接に連携を取りつつ診療にあたっています。
下垂体腺腫が最も頻度が多く8割が下垂体腺腫です。特に治療が困難なクッシング病や先端巨大症等機能性腺腫の外科治療を多く行っています。その他、頭蓋咽頭腫、鞍結説部髄膜腫、脊索腫、ラトケのう胞等にも経鼻手術を原則とし多くの手術症例を経験しています。
下垂体腫瘍の95%近くの症例は非侵襲的で切った跡さえ分からない経鼻手術(鼻からのアプローチ)で安全に腫瘍の切除が可能です。頭を開けない、より非侵襲的(身体により優しい)な経鼻法を得意とし、現在は経鼻法が一般的となっています。
術後のホルモン補充療法や術前、術後の機能性腺腫に対する薬物療法を行っています。
術後放射線治療が必要になった場合、日本赤十字社と協同でサイバーナイフ加療を行っています。
ご紹介の際は間脳下垂体センター又は各曜日の担当医宛でご紹介ください。
また、緊急の場合や、早急に入院が必要の場合は、救急外来まで直接ご連絡いただければ、すぐに対応いたします。
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