リハビリテーション科

リハビリテーション科

ごあいさつ

当院のリハビリテーション科は、リハビリテーション専門医1名、理学療法士39名、作業療法士11名、言語聴覚士6名の計57名が所属する部署です。それにより、1人のセラピストが1人の患者さんに対して、ゆとりを持って安全で充実したリハビリテーションサービスを提供しています。
急性期の二次的廃用を防止するために、多職種によるチームアプローチで積極的な早期離床とADL(食事、歩行、トイレなど)再獲得を進め、回復期病棟、地域包括ケア病棟、自宅退院につなげていきます。

担当医から一言「廃用症候群との闘い」

急性期入院医療の目的は言うまでもなく疾患の迅速な診断治療、そして回復です。そのために様々な検査、点滴注射や処置、手術などが行われます。
入院すると、患者は病衣に着替え、狭くて平らなベッド上で「とりあえず安静」が指示され、食事はベッド上に運ばれ、トイレも床上便器だったり膀胱留置カテーテルということになります。安静で体力を温存し病気に立ち向かおうというわけです。
ところがこの当たり前と思われる状況が3日間も続けば、恐ろしい合併症が待ち構えています。それこそが寝たきり、安静由来の「廃用症候群」です。
筋・骨萎縮、関節拘縮などの運動器だけではなく、心肺など内臓器の機能低下、食欲低下や便秘、さらに心理面では不安、不眠、うつ状態、幻覚、妄想、認知機能の低下など、全身の障害として現れます。
「深部静脈血栓症」については、エコノミークラス症候群や災害避難時の車中泊合併症として有名になりました。死の危険もある病態ですが、普段の生活では「数十回も繰り返される睡眠中の寝返り」が制限され、下肢の循環が滞ることから血栓ができると考えられています。寝相の良し悪しは笑い事ではありません。  60年前の米国のリハビリの教科書を開くと、栄養、排便、膀胱機能、二次的障害(廃用症候群)の予防、運動機能、身の回り動作、そしてコミュニケーションなどが基本的課題として掲げられ、当初から廃用予防のための早期離床が重要課題だったことがわかります。
日本では2000年「廃用症候群」が診療報酬のリハビリ適応疾患に追加され、寝たきりを予防し実用的な日常生活を実現することが改めて重要な課題となりました。そして、廃用予防に向けて、早期離床、早期リハビリをベッドサイドから多職種で包括的に行うことが推奨されるようになり、今では早期リハビリの効果は自明のことと理解されるようになりました。
しかし、その実践活動はまだまだ十分とはいえません。急性期病院ではやむを得ないこととはいえ疾病以外への関心が乏しく、早期離床や日常生活活動への関与は軽視されがちです。皮肉なことに、患者の活動性が高いことは転倒やカテーテル抜去事故のリスクが増えると受け取られかねません。
そして、近年の大問題はいうまでもなく超高齢化社会の到来です。元々併存疾患があり何らかの障害のため要介護であった人達、いわゆる虚弱高齢者が外傷、感染症、加齢疾患などで入院してきます。そのため医療は重装備になりがちでスパゲッティ症候群やせん妄に伴う安全のための抑制など、困難な病態が著しく増加しているのです。
早期離床、早期リハビリの重要度はますます高まり、同時に実践には、より高度の専門性が求められるようになっています。
「入院前情報」として、身体機能、日常生活活動、認知機能、家族状況や住環境、経済的状況などを知り、病状に合わせた治療目標を想定し、早期離床を進める業務は容易ではありません。
そのような状況下でも離床のために必要な患者にできることを探すのが専門職の役目です。一見寝たきりに見えるようでも、寝返り、起き上がり、腰掛け坐位がとれる人たちが多いのです。そして、坐ると表情が変わります。意識や意欲が改善し、それまで口を開かなかった人たちが医療への要求を口にするようになります。「一人で食べられる、一人でトイレに行かれる」という希望の訴えが多い印象です。更に3日目までに坐位が可能になった人たちの在宅復帰率は高いのです。
大変長い一言になりましたが「急性期リハビリの最重要課題は廃用症候群との闘い」であることを心がけています。

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医師紹介

  • 西村 尚志
    西村 尚志
    役職 副院長・リハビリテーション科 部長
    学歴 信州大学医学部 卒
    経歴 平成15年 森山記念病院勤務
    資格 日本リハビリテーション医学会専門医・指導医

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